100年ほど前の奈良県を「温ねて」みると、今日では想像しがたいような世界があった。豊かな自然を生かした林業、手すき和紙、売薬製造、凍み豆腐など多様なが展開され、独自の伝統文化も生きていた。近代日本の政治、経済、教育を動かした「巨人」が山里に住まいを構え、約150市町村からなる地方自治もそれなりに機能していた。文化人類学者のいう「地方毎に小盆地としての個性的な発展を遂げてきた宇宙」がそこにあった。同時に、今日に繋がる時代の転換期であった。以後は、都市化、工業化、中央集権化の流れが強まり、多くの生業や伝統文化が衰退した。軍国主義の足音も忍び寄っていた。100年前のそんな時代から何を学ぶべきかを考えてみたい。
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「さとびごころ」は「100年住み続けたい奈良」をキーワードに、奈良で暮らす人に向けて編集されているリトルプレスマガジンです。発行元から直接販売しています。
編集人 阿南セイコ
発行元 オフィスエルインクバックナンバー
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