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vol.21 特集 100年前の奈良

100年ほど前の奈良県を「温ねて」みると、今日では想像しがたいような世界があった。豊かな自然を生かした林業、手すき和紙、売薬製造、凍み豆腐など多様なが展開され、独自の伝統文化も生きていた。近代日本の政治、経済、教育を動かした「巨人」が山里に住まいを構え、約150市町村からなる地方自治もそれなりに機能していた。文化人類学者のいう「地方毎に小盆地としての個性的な発展を遂げてきた宇宙」がそこにあった。同時に、今日に繋がる時代の転換期であった。以後は、都市化、工業化、中央集権化の流れが強まり、多くの生業や伝統文化が衰退した。軍国主義の足音も忍び寄っていた。100年前のそんな時代から何を学ぶべきかを考えてみたい。

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21号特集扉

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