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概要

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2017 spring vol.29   12地域サロン訪問 一時預かりから行政との協働まで多彩な子育て支援サロン サロンドキッズの支援活動は多岐多彩。本拠地である天理市西長柄の2階建てのサロンでの育児教室や子育て相談、一時預かりから、公民館に出張しての親子リズム、そして、市が開催する子育て支援イベントのコーディネートへと展開してきた。 利益をスタッフに還元し、事業を継続的に行うため2007年にはNPO 法人化。現在は、保育士、心理士、音楽講師など、多彩な専門家を配置し活動に当たっている。少子化により子育て支援活動に追い風が吹いているとはいえ、これだけの事業を展開することは並大抵ではない。その秘訣はなんだろうか? 「サークルはただのお茶会でしょ、なんて言わたこともあって。それはちょっと違うんだよ、と言いたい」。理事長の矢田紫真子さんは明るく笑う。  「じゃあ、あなたがやったら?」の声をきっかけに 子育てしにくい環境、お母さんに降りかかるプレッシャー、これは、本来、社会とともに解決すべき課題であり、専門的な援助が必要だ。 保育士の経験を持つ矢田さん自身、ご主人と結婚後に初めて奈良へ来て出産した。ところが知り合いも少なく、産後うつになりかかったという。救われたのが、市が行っていた育児教室だった。専門家のアドバイスも受け、顔見知りのお母さんも増えた。だがその教室も8回限り。その後、「どうしよう?」と戸惑ったという。 「そしたら、『あなた保育士なんだから自分で子育てサークルを作ってみたら? 』と言われて」。ここからサロンの活動がスタートする。15年前のことだ。生い立ちに培われた社会福祉への視点 矢田さんの出身地は、北海道の釧路。高校を出た後、短大で保育士の資格を取得した。その後、札幌市内の児童養護施設で施設保育士として働く。 一般の保育園での勤務ではなく、あえて困難な環境にあるこどもたちへの支援を志したのは、地元町役場の公務員として社会福祉分野を担っていたお父さんの影響があったそうだ。家庭で、自然といろいろなお話をされ、折にふれて福祉について考えるようになったという。 「しんどい環境に置かれてしまう「お茶会なんて、言わないで」子育てを支える民間支援活動NPO法人Salon de kid’s ネット (天理市)天理市にある子育てサロン「Salon de kid’s(サロンドキッズ)」は、子育て中のお父さん、お母さんが気軽に立ち寄れる民間の広場。その活動の多彩さと支援の専門性は、行政からも高く評価されています。今回は、15 年にわたり子育て支援を牽引されてきた理事長の矢田紫真子さんにお話を伺いました。地域に増えつつある「サロン・縁側・よりあい処」などの現場を訪ねます。わたし、かわいい?? 髪型をとのとえるおしゃれさん。楽しいおもちゃがたくさん。これらは申請をして獲得した助成金で買ったもの。