ブックタイトルsatobi29

ページ
19/28

このページは satobi29 の電子ブックに掲載されている19ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

satobi29

19  2017 spring vol.29【よど豆】奈良県の南東部に位置し、吉野杉の産地として知られる川上村の高原集落で代々受け継がれてきたインゲン豆の一種。紫と白の美しい二色の模様が特徴で、高原集落の各家庭ではハレの日の郷土食として主に煮豆に調理され、独特の風味とモチモチとした食感が愛されてきた。よど豆の煮豆家族の笑顔のために作り継がれてきた伝統野菜を「家族野菜」と呼び、土から離れてしまった人と自然との関係を取り戻す「ちいさな農業」を提唱されているレストラン「清澄の里 粟」の三浦雅之さん・陽子さんにご協力いただき、季節のメニューをご紹介するコーナーです。畑を持たない人にも、そのエッセンスをわかちあっていただけたらと思います。(編集局 阿南セイコ)川上村西に大峰山脈、東に台高山脈が連なり、吉野川(紀の川)の源流域にある川上村は、発見された遺跡から縄文時代にまでさかのぼる歴史がある。南北朝時代に逗留した後南朝の自天王をしのび、「朝拝式」が年に一度行われている。室町時代に造林が行われたとされ、江戸時代以降は林業が栄えた。今も整然とした美林が続く吉野林業の中心地である。村の南東部に位置する三之公近くの岩の割れ目から、湯が三之公川に湧き出ており、茶色に濁ったお湯で39 度ある温泉山鳩湯は秘湯・名湯として人気。協力 三浦雅之&陽子中辻ミヱ子さん歴史深い高原集落に生まれ、「よど豆」、葉野菜の一種「コナ」、里芋の一種「まいも」など、先代より受け継いだ伝統作物を大切に育ててこられた。今回の大和伝統野菜つくりかた① よど豆を綺麗に水洗いする。② 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、その中によど豆を入れて中火で煮る。③ 豆が少し柔らかくなったら、塩を少々と好みの甘さに合わせて砂糖を加える。④ 豆が柔らかくなったら完成です。よど豆のふるさとよど豆の生産者さんヒトコト (アメリカ先住民族の集落にて)やんちゃな子どもたちと、働きざかりの成人、そして生涯現役で農作業にたずさわり、コミュニティの知恵袋として大切にされている老人。このなかに身を置いて暮らすうち、「おや、ここには僕たちが関わってきた医療や福祉の必要がないぞ」ということに気付くのです。つまり、集落にお年寄りはいるのに、要介護者がひとりもいないのです。…答えは「農的な暮らし」の中にあるんじゃないのか。(『家族野菜を未来につなぐ』より)川上村