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2017 spring vol.29   20企画取材 山と温泉と地域天川村で薪ボイラーによる温泉事業がスタート。林業会社が温泉を経営する。 天川大弁財天社で有名な天川村坪内地区。この地区にある温泉「天の川温泉」が、林業会社を代表企業とする「山と温泉共同事業体」が指定管理者となり、4月からリニューアルオープンした。リニューアルの最大のトピックは、薪ボイラー「ガシファイアー」の導入だ。 かつて、林業が活況を呈していた時代、天川村の主産業は林業だった。それが、昭和55年をピークに木材価格は、右肩下がりを続けた。これに、平成7年の阪神大震災で木造住宅が軒並み倒壊し、木造の耐震基準が厳しくなったことが、ダメを押した。さらに人口も右肩下がりを続け、森林を管理する人がいなくなるだけでなく、住む人の数自体も減少している。林業で賑わった天川村も、明るい未来への展望を見いだせないでいる。 そんな中、天川村は、天の川温泉に薪ボイラーの導入を決定した。この温泉を、これからの村の観光の一つのシンボルにし、林業再興のきっかけにしようとするものだ。薪ボイラーの導入 今回導入された薪ボイラー「ガシファイアー」は、新潟県新潟市に本社を置くアーク日本株式会社が開発したものだ。幅約1m、高さ約2m、奥行き約2m。黄色のボディーに機関車を連想させる黒い扉を持つガシファイアーは、1mに小伐って割った薪を燃やす。1台当たり年間約100トンの薪を消費する。これにより、今までは山に捨て置かれた木材がエネルギーに変化する。 薪ボイラーは、ただ単なる給湯設備ではない。使い方や理解の仕方によっては、地域に活力を与える宝箱になり得る。温泉施設に薪ボイラーが入る事で、期待できる様々な効果とは。この度導入された薪ボイラーガシファイヤー昨年12 月13 日、天川村バイオマス生産供給施設のオープニングセレモニーが開催された。天の川温泉センター(http://www.yoshikoren.com/amanokawa-onsencenter.htm より)この春より、これまで村営だった「天の川温泉センター」(以下天の川温泉)と「天川薬湯センターみずはの湯」が、林業会社を代表企業とする指定管理へと移行。これにともない「天の川温泉」には林業の再生をかけて、薪ボイラーが導入されました。村と民間とが森を介して手を携え、にぎわいを生みだす取り組みにチャレンジします。山村の湯につかりながら、山と地域とエネルギーの未来に、思いを馳せてみてはいかがでしょう。谷茂則 谷林業株式会社(山と温泉共同事業体代表企業)天の川温泉 奈良県吉野郡天川村坪内232TEL 0747-63-0333みずはの湯 奈良県吉野郡天川村山西298-3TEL 0747-65-0333