ブックタイトルsatobi29

ページ
21/28

このページは satobi29 の電子ブックに掲載されている21ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

satobi29

21  2017 spring vol.29 まず、地元で林業に関わる人に、林産物の売り先が生まれ、重油を利用していたことにより域外に流出していたお金が地域内で循環させられる。今まで林内で放置していた丸太に価値づけがなされ、地域の森林整備に勢いがつく。林業に関わる若い人が生まれ、地域に定住する人が出てくることも考えられる。一般社団法人フォレストパワー協議会の発足 温泉施設に供給する薪をつくるために、天川村、森林組合、商工会が協働して一般社団法人フォレストパワー協議会が発足した。廃校になっていた学校の体育館と運動場をリニューアルし、薪の集荷と製造を行う。丸太を持ち込むと、1?あたり約5,000円の地域振興券で買い取る。地域の林業関係者はもとより、山林所有者や地域のお年寄り等から少しずつ薪用の丸太が集まってきている。山と温泉共同事業体 温泉施設の指定管理に選定された「山と温泉共同事業体」は、温泉経営の合理化と薪ボイラーを媒介にした林業振興、地域振興をテーマに掲げている。共同事業体のメンバーには、建築家や元村役場の職員もいて、地域住民とのつながりを大切に考えている。それらをベースに、広報戦略を充実させていこうと考えている。 全国でも、同じような課題を抱えた山村が多く存在する。この取り組みを「山と温泉 天川モデル」として、全国の温泉施設に普及させ、地元の林業の追い風にし、地元に生業をつくり出し、そこに人が集い、その結果として地域の森林も良い状態に導かれていけば嬉しい。まだまだ、始まったばかりだが、このモデルが機能していけば、日本の国土面積の70%を占める森林が価値化することも夢ではない。山 と温泉が描く未来 山と温泉と地域と広報。温泉と薪ボイラーを切り口に、各人の特技を生かして、活動する。温泉に入ってゆっくりしていただき、少しだけ山とエネルギーの未来に想いを馳せる。この取組みをきっかけに、各地の地域と森林が健全になっていくことを願ってやまない。株式会社青春 l o c p ump  株式会社ALU///////////////////////////////////// 天川村林業の再生にむけて・・・山と温泉共同事業体の4 社/////////////////////////////////////右 薪ボイラーに使われる丸太は1mに小伐られ、半分に割られる。左 元学校の運動場には、トラックのまま丸太を計量する設備が整えられた。谷林業株式会社 リニューアル後の新しいロゴ。若い世代に訴求する広報戦略を充実させる考えだ。飯田尚悟温泉運営の合理化をさせたら右にでるものなし。笑いと涙の人情味あふれる温泉ベンチャー企業代表。山と温泉で全国制覇をもくろむ。幸家大郎家族と共に天川村に移住した建築家。天川村に愛着を持ち、温泉道具講というプロジェクトを通して地域が持つ失ってはならない人や文化を掘り起こす。阪岡 悌元天川村会計管理者。事業体の中で最も天川村を知り尽くす。天川村の多くの人々とプロジェクトをつなぎながら、村の未来を切り拓く。田村広司カメラマンであり、カフェオーナー。「チャイムのなる森」というイベントを主催。何もない里山に多くの人を呼び寄せた実績を引っさげ、温泉に新たな展開を。 髙橋 潤元自衛隊幹部でありながら林業に転職。林業家でありながらも、温泉運営に携わる。活動領域を広げ、新たな林業の可能性を模索する。