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25  2017 spring vol.29 京終駅西側のJR 踏切からまっすぐ北に伸びた昔の中街道沿いに、かつて中央卸売市場があった。その通り沿いにスーパーマーケット「ビッグ奈良」があり、その横に大正時代から今に続いている「井阪鮮魚店」がある。 毎朝3時半ごろ、店主が大和郡山市に移転した中央卸売市場まで仕入れに行っている。お客さんは昔からの常連さんが多く、また中には自転車やバスに乗って市内でも遠方から来られる方も。 また、近隣の小学校から教育の一環として見学にも来る。スーパーマーケットで切り身の魚しか知らない子供たちは、珍しそうに魚の名前を学習しているそうだ。 スーパーマーケットでは見られない昔ながらの光景がそこにはある。長年培った目利きによりその日に店先に並べる魚介類を買い付ける。珍しい物やお客さんの好みの物が入れば連絡し、反対にお客さんから今日手に入った魚介類の問い合わせがあれば優先的に取り置かれている。選んだ魚などをさばいてもらったり焼いてもらったりしている間に「ビッグ奈良」などで買い物と、時間も有効活用されている。その日は、筆者の好物のアナゴのかば焼きが並んでいたが、あくまでも常連さん優先のため残念ながら手に入れることはできなかった。※休業日:水曜日・日曜日・祝祭日(取材・文 大浦悦子) 「さとびごころ」編集局のある京終界隈を散策してみます!昔懐かしい鮮魚店井阪鮮魚店とまあ仕方のないところです。醤油の種類ごとの特徴はまた改めて詳しくお話ししようと思います。 ところで醤油は植物性の原材料のみでできていなくてはなりません。上記の醤油の定義、もう随分昔に決められたもので、終戦後食糧難の時代、大豆小麦以外の代用原料で醤油が作れないかという研究が進められる中、そういった代用原料で醤油を作ることが無いよう動物性の原料を厳しく禁じたものなのです。今どきそういった代用原料で醤油が作られるなど考えられません。しかしその規定のために鰹節の出汁など、動物性の旨味が入ると醤油と名乗れなくなるのです。さしみ醤油とかだし醤油とか土佐醤油とかポン酢醤油とかいろんな醤油ではない醤油があります。出汁が入ると醤油加工品、あるいは「つゆ」などの分類となります。でもそういった醤油加工品がつけ、かけ用途など、ほとんど醤油の代替品として使われているケースが多くなってきました。そうなんです。出汁という風味原料を使用した醤油加工品が多種多様になった今、法律や規定が実情に合わなくなってきているのです。正確には醤油の種類なんてどうでもよくなってきているというお役所には怒られそうなお話です。ですが、こういった事態も醤油が、他の調味料と相性が良い、適合性が広いということの表れでもあります。大豆、小麦、食塩のみで作られるシンプルだけど複雑玄妙な調味料、醤油をこれからもよろしくお願いします。 今回は醤油の種類についての話です。醤油はJAS 法によって定義されていますが、それによると醤油はこいくち、うすくち、たまり、しろ、さいしこみ の5種類に分類されることになっています。かいつまんで説明すると、こいくち醤油は大豆小麦をほぼ等量使用し、濃厚なうま味と特有の香りを有するもの。うすくち醤油はほぼこいくちと同じですが、着色を抑制したもの。たまり醤油は大豆のみまたはごく少量の小麦を用い、非常に濃厚なうま味を持つもの。しろ醤油はごく少量の大豆(ということはほとんど小麦)を用い、着色を極端に抑制したもの。さいしこみしょうゆは生揚げ(醤油の原液です)にもう一度麹を仕込んだもの。非常に濃厚なうま味を持つ。となっています。法律というものはわかりにくいというか、悪文ですが、どんな読まれ方をしても誤解が生じないようにとなる片上裕之(片上醤油蔵元)醤油小噺 第3話